お子さんの、前歯のすきっぱは、通常、犬歯が生えてくるころに、ちょうどきれいに閉じてきれいな歯並びになりますが、最近では、永久歯の先天性欠損や、埋伏過剰歯のあるお子さんも多くみられ、かかりつけ医で一定の年齢になれば、虫歯がなさそうなお子さんでも、レントゲンを撮って、定期検診をすることで、歯の生え変わり、後続永久歯の状態、顎の発育などを観察できます。
前回のレントゲンで見えにくかった正中埋伏過剰歯が存在し、すきっぱと、永久歯の歯根の成長阻害(または、歯根の吸収を起こす場合もある)が認められた。
なるべく早期に抜歯をしたほうが良いが、お子さんの年齢などを考えると、
2次元のレントゲンではわかりづらいため、CT撮影を行い、3次元のVR画像などを使い、より正確に状態を把握する。
治療方針としては
- 大学病院で、全身麻酔下で抜歯をする
- 笑気麻酔を使って、局所麻酔下で抜歯をする
- 虫歯治療に準じた、うまくやり取りしながら、恐怖心を与えずに素早く治療(抜歯)をする
この中から、一番後者の治療をする代わりに、通法の、歯茎を切開剥離して、抜歯をして、縫合をする方法はお子さんの負担が大きいと考え、レーザーを用いての無出血治療を選択しました。
2分で抜歯治療終了 レーザー治療のため無出血
術後2日後の状態
術後一か月後の状態
傷もきれいに治癒し、すきっぱも自然に閉鎖し始めている
このように、すきっぱの原因が埋伏歯の場合、矯正治療等の治療と合わせて、定期検診でレントゲン検査などが重要になります。